2011年12月14日
「もと」は、酒を仕込む際の「もと」です。
「酒母」とも言います。
大きなタンクで、もろみ(蒸米と麹と水)を発酵させて清酒を造るには、大量の清酒酵母が必要です。
「もと(=酒母)」造りの目的は、大きなタンクで仕込む前に「もと」になる清酒酵母を小さなタンクで、純粋に培養して大量に育てることです。
清酒酵母だけを純粋培養するためには、雑菌が侵入しない環境を作らなければなりません。
雑菌の侵入を防ぐため、雑菌が酸に弱いことを利用して乳酸を加えます。
この乳酸を
1)自家培養で生成させるか
2)添加するか
「もと(=酒母)」造りには2つの製法があります。
1)は、昔からの伝統的な造り方で、
空気中から乳酸菌を取り入れて、乳酸を自家培養させる「生もと」です。
約1ヶ月かけて、ゆっくり育成します。
「生もと」で造った酒は、独特の濃さと幅がある味わいです。
2)は、仕込み期間を短縮するために、仕込み時に醸造用乳酸を添加する「速醸もと(=酒母)」です。
「生もと」の半分の約2週間で生育が終わります。
美酒爛漫の「生もと」造り
「もと」を仕込む最初の作業は、蒸米と麹と水を撹拌することです。
以前は、「手もと」と言われ、蔵人が手で掻き回す作業でした。
しかし、現在は擂砕機(らいさいき)と呼ばれる撹拌機で行っています。
酒母を造る場所を「酒母室」もしくは「もと場」と言います。
乳酸菌などのいろいろな微生物が増殖、淘汰を繰り返す、非常に複雑な製法なので、生もと専用の「もと場」を設けます。
生もと専用の「もと場」 →
出入りする扉以外は、緑のテープで目張りをして、雑菌などの侵入を防ぎます。
「速醸もと」は、仕込み時に清酒酵母を添加しますが、美酒爛漫の「生もと」造りは、仕込み後の9日目を添加日として目標にします。
その日まで、酒母の内容成分が整うように酒母の顔(表面)を観察し、成分分析をしながら管理します。
酒母の変化を注意深く観察します。
雑菌などを極力持ち込まないために、清酒酵母を添加するまでは、「生もと室」には杜氏一人だけしか出入りすることが出来ません。
清酒酵母を添加して、酵母が活躍してアルコール発酵が進むと、ようやく他の蔵人も「生もと室」に入ることが出来ます。
仕込み水には手を加えない井戸水を使用し、麹は生育期間を長くして、酵素力を高めます。
蒸米は軟らかく仕上げ、米の溶けを良くします。
通常の「生もと」造りの仕込み温度は、雑菌などの侵入を抑制するため、6度~8度位の低温で仕込みますが、美酒爛漫では専用のクリーンな「生もと室」を設けているので、14度で仕込みます。
—— 杜氏 本 多
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