2014年01月30日
大寒の季節に入り、蔵内は毎日大忙し・・・ 「大吟醸酒」の仕込み作業も続きます。
麹が出来上がったので、
次は〝酒母(しゅぼ)〟の仕込みです。
〝酒母〟は、糖分をアルコールに変える働きをする清酒酵母を、純粋に大量培養するためのもので、少量の麹と蒸米を使用して小さいタンクに仕込みます。 大きなタンクで仕込む為の素になるので〝もと〟とも言います。
初めに、麹の酵素を水中に溶け出させるため、汲み水に麹を入れて混ぜ合わせておき、そこに清酒酵母を添加して、更に蒸米を入れて〝酒母(=もと)〟を仕込みます。
仕込み後は徹底した温度管理と操作をして約2週間で〝酒母〟は完成します。
〝酒母〟が出来上がったら大きな仕込タンクに移して、大吟醸酒を仕込みます。
酒母に水・麹・蒸米を加えて、
〝もろみ〟を仕込みます。
〝もろみ〟の仕込みは三段仕込みと呼ばれ、
1日目は初添(はつぞえ)
酒母に水、麹、蒸米を入れて仕込みます。
2日目は踊り(おどり) と呼ばれ、酵母の増殖を計る為の「中休み」の日です。
3日目は仲添(なかぞえ)
初添に使用した水、麹、蒸米の約2倍の量を追加します。
4日目は留添(とめそえ)
仲添に使用した水、麹、蒸米の約2倍の量を追加します。
このように段々に仕込みの量を多くして行き、酵母の増殖をはかりながら、4日間かけて仕込みを行います。
〝もろみ〟の仕込み作業
①水麹(みずこうじ)=麹の酵素を仕込み水に溶け出させる為の作業で、前日に仕込タンクへ移しておいた酒母に、仕込水と麹を入れて混ぜ合わせておき、蒸米が炊き上がるのを待ちます。
②炊き上がった蒸米は試桶(ためしおけ)と呼ばれる木製の桶に入れて計量し、蔵人が肩に担いで仕込室に運びます。
③釜場から運ばれて来た蒸米は、品温を下げる為、布の上に手で広げます。
蔵内は熱気と新米の香りでいっぱいになります。
④蒸米が最適な品温に下がったら、①水麹(みずこうじ)を用意した、仕込みタンクに入れ、櫂入れ(かいいれ)と検温を幾度も繰り返して仕込みを終えます。
※櫂入れ(かいいれ)・・・櫂棒と呼ばれる道具で攪拌する事
仕込み後は毎日、温度管理と分析による成分管理をして最高の美酒になる様に大切に育てながら、熟成の日を待ちます。
通常の〝もろみ〟の熟成日数は20日位ですが、「大吟醸酒」は低温で30日以上を掛けて、ゆっくり発酵させます。
美酒爛漫の大吟醸酒は、全ての手作業に惜しみなく時間と手間をかけて造ります。
〝もろみ〟が熟成したら、次は〝上槽(=しぼり)〟です。
「上槽」は、
次回(2月14日)のブログをご覧ください。
(杜氏 本多)
美酒爛漫の大吟醸酒はネットショップでお買い求めいただけます。