「酒米の里」として繁栄した湯沢
「酒の国」秋田県にあって、湯沢市は
「東北の灘」と
言われるほど
酒造りが盛んな地域でした。
その繁栄を支えていたのが、
湯沢の肥沃な土壌と
清らかな水が育む酒米です。
最盛期には、秋⽥県の酒蔵が使⽤する酒⽶の8割を供給するなど、
湯沢は「酒米の里」として名を馳せ、
秋田の酒造りには欠かすことのできない土地として発展しました。
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4月上旬、お米の種である「種籾」を育苗箱にまき、ビニールハウスの中で適切な温度管理と水分調整をしながら約30日かけて苗を育てます。
この際、並行して田植えに向けた土づくりを行います。特に、「代搔き」は土壌の質を高め、雑草の発生を抑制する役割を果たす大切な作業。より丁寧に時間をかけて取り組みます。
5月中旬〜下旬にかけて、いよいよ田植えが始まります。適切な温度管理と水分調整のもと、十分に育った15cmほどの苗たちを、8.1ヘクタールの自社田に田植え機を使って等間隔に植えていきます。
田植えを行う際にも、気温、水温等の環境的条件が整う必要があります。
天候に恵まれていれば、数日後に苗は田んぼに根を張ります。
田植えが終わった後は、稲の状態を常に観察しながら、こまめな水管理を行います。
田植え直後の深水管理が長くつづくと、新しい茎の発生である「分げつ」を阻害してしまうため、
生育段階に合わせ適宜、浅水管理へと切り替えます。稲の生育を脅かす雑草には細心の注意を払い、
その都度、除草作業に取り組みます。
稲がある程度育つと、自社田の水を抜き、土を乾かします。この「中干し」という作業により
土壌に酸素を供給し根を活性化するとともに、土中の有害ガスを抜いていきます。
「中干し」後は再び水を入れ、数日おきにこの作業を繰り返します。
また、肥料として窒素、リン酸、カリウムといった養分を与え、生育をコントロールしていきます。
7月下旬〜8月初旬、ようやく稲穂が顔を出し始めます。さらに生育し、実り始めた頃に目立ってくるのが、雑草の「ヒエ」。刈り取り時にコンバインに支障をきたすため、処理が必要です。
この時期には、「いもち病」など、さまざまな病気や害虫も発生するため、対策は欠かせません。
9月初旬、自社田一面が黄金色に染まれば、いよいよ収穫です。
刈り取った稲穂は、乾燥させた後、籾摺り機で周囲の籾殻が取り除かれ、玄米に加工されます。これこそが日本酒のもととなる原料米です。
社員自らが丹精込めて育てた酒造好適米は、そこからさらに酒造りの工程を経て、唯一無二の爛漫の酒となり、皆さまの元へ届けられます。